アイドルを嗤うやつは駅伝とか見るんじゃねえ

「アイドルって成長するのがいいんでしょ?」

と知人から雑なまとめ方をされた時に小一時間説教してやろうかと思ったぐらい心が狭い人です。たしかにアイドルを見ていく面白さにそういう側面もあるとは思うのですが、言下に技能の稚拙さを嘲笑しているニュアンスを感じ取ってしまったためいささか腹を立ててしまいました。

ただ、腹が立ったのと同時に少し思ったのは「稚拙だったら何がいけないのか?」ということ。不断の修練によって磨き上げられた技術やパフォーマンスに称賛やリスペクトを与えることに異論は全くないですが、それを掴んだ人にしか許されないのがエンターテイメントだとしたらおそらくエンターテイメントは今よりもっとつまらないものになっていると思うのです。

技術や能力が充分に備わっていなくても人々を感動させ、しかもビジネスとしても成立しているものがあるんじゃないか?

そう考えた時に頭に浮かんだのが「アマチュアスポーツ」の存在でした。
高校野球や高校サッカー、大学ラグビーそして大学駅伝など、いくつかのアマチュアスポーツも(それがプロフェッショナルなスポーツでないにも関わらず)老若男女の人々を魅了しビジネスとしても成立しています。

まあ全国大会に出場するような学生選手を”技能が稚拙”というのは少し語弊がありますが、彼らのほとんどはプロにはなれず(ならず)に選手人生を終えるのでそのレベルを超えられなかったというのは間違いではないでしょう。

なぜ、アマチュアスポーツはプロほどの技量がないにも関わらず多くの人を感動させるのか?

それにはやはり技術の稚拙さは欠かすことができない要素になっていて、稚拙であるが故に起きてしまう思いがけない大成功や大失敗、そしてそれによって生まれるドラマというのが人の琴線に触れているのだと思うのです。そしてアマチュアスポーツ選手の多くが10代半ばから20代前半の若者であることも非常に大きな要因だと思います。
あと、見る側に”全員日本一になることを夢見ている(はずだ)”というメタ設定が刷り込まれているのも大きいですね。

このことをアイドルに照らして見るとそのほとんどがアマチュアスポーツが人気となる要素と符号していることが分かります。

  • アイドルは若い
  • アイドルは成功したり失敗したりする
  • アイドルはトップアイドルになる夢を描いている(はずだ)

アイドルファンを揶揄する言葉の中に「いい年して若い女の子なんかに夢中になって…」というものがありますが、あれはごくごく狭い見識(←間違いじゃないけれども)でしかなくて、そもそもアイドルはアマチュアスポーツと同じくらい幅広い年齢層を魅了しうる強いフォーマットを持ったコンテンツなのです。

もしかしたらアイドルファンの中にはアイドルを応援していることに後ろめたい気持ちや不道徳感を抱いている人がいるかもしれませんが、その時は「アイドルが好きなのは高校野球や大学駅伝を応援しているのと同じなんだ!」と理論武装をしながら現場に向かうことをおすすめします。

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